三式トニーの試作車両雑記

自衛隊の試作車とかまとめてます。一言添えてくれれば転載自由です

自衛隊の米軍供与車両一覧[戦車・自走砲]

自衛隊の米軍供与車両をまとめたのって意外となかった(あったらすいません教えてください)のでまとめました

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自衛隊の米軍供与車両一覧[装甲車・装輪車・牽引車] - 三式トニーの試作車両雑記

戦車

f:id:type3fighter:20230825005639j:image富士におけるSTA-1とM4。STA-1の低車高な構造が分かる

本格的な軍備が始まった自衛隊に機甲戦力の主力として配備されました。しかし車高の高さが待ち伏せを多様する自衛隊のドクトリンに合致しないことや、当時の平均身長が160cm前半と小柄だった日本人には大柄すぎる車内装備が合わなかったりと評価はあまり良くなかったようです。

  • M24チャーフィー

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実は1952年という早い時期から供与された自衛隊(当時保安隊)初の"特車"です。小柄で軽量なためM4よりもこちらのほうが扱いやすく、乗員からも親しまれたようです。

f:id:type3fighter:20230825010626j:image主砲をトラベリングロックに固定しているM41と61式戦車

M24の後継となる軽戦車です。供与戦車の中でも最も長い1983年まで運用されましたが、なぜか国内の現存車両は確認できません…

  • M47パットン

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自衛隊主力戦車として大量供与も検討されていましたが、同時期に西ドイツへの大量供与があったため在庫がなくなり、自衛隊は国産戦車を開発することになりました。その際参考用として1両が供与されました。

 

自走砲

  • M36ジャクソン

f:id:type3fighter:20230825011510j:image試製中特車STのモックアップと砲塔を外されたM36

61式戦車開発の参考として1両が供与されました。90mm戦車砲の運用経験が無かった日本では、反動エネルギーがどの程度か分からず車体設計に苦戦していたところ、供与されたM36による射撃試験でデータを収集し、61式戦車への90mm戦車砲搭載のノウハウを得られたようです。

  • M37

f:id:type3fighter:20230825011400j:image茅ヶ崎海岸でM24との砂上走行比較試験を行うM37

試製56式105mm自走砲SYの開発の参考に供与されました。ただ供与されたのは1959年1月とSYの技術試験も終わろうとしていた時期であり、競争・比較試験に使われる程度に留まりました。

  • M44

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M41をベースにした155mm自走榴弾砲です。自走砲を持っていなかった自衛隊は北海道での運用研究を目的に10両が有償で供与されました。

  • M52

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同じくM41をベースにした105mm自走榴弾砲です。M44と同様に30両が有償供与されました。密閉型の戦闘室は国産自走砲の開発に大きな影響を与え、誕生した74式自走105mm榴弾砲・75式自走155mm榴弾砲と入れ替わるように退役しました。

  • M15

f:id:type3fighter:20230825181455j:image神宮外苑のパレードに参加するM15

M3ハーフトラックに37mm機関砲1門と12.7mm機銃2門を搭載した対空車両です。供与された車両は使い込まれた車両も多く、1両ごとにどのように使用されたかを推測しながら整備をする羽目になったそうです。

  • M16

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こちらは12.7mm機銃を4門搭載しています。対空能力はあまり期待されず、元のM3ハーフトラックのように輸送車として用いられることもあったようです。

  • M19

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M24をベースにした40mm自走対空砲ですが、後述するM42の存在もあって扱いは良くなかったようです。

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こちらはM41をベースにしています。早めに退役したM19と違い、1994年まで現役でした。これは87式自走高射機関砲の登場まで戦車に随伴できる唯一の自走対空砲であったことや、87式を配備するため、「装備の更新」という名目で予算確保のために維持されていたためだとか。余談ですが、退役したM42の砲塔を61式戦車や60式・73式装甲車に搭載し再利用してはどうかという声もあったようですが実現はしなかったようです。実現してたら逆64式軽戦車になってたかも

 

次は装甲車・装輪車編です。ではまた!